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私は、ある大学院に所属しています。
指導教官に言わせれば「ヤクザな学校」。
そこにいる、そして大学院生であることの最大の喜びの一つはいろんな面白い情報が入ってくるということ。
興味はあったんだけど、ほとんど知らなかったことに関するいろんな面白いこと教えてくれる先輩や友人(下の学年の人も含む)に恵まれている。
たまにふと考えると本当に恵まれている、と思う。
映画、イベント、音楽、文学、理論そしてマンガまで。
今回はゼミでいつもご一緒させていただいているある先輩から教えていただき、借りたマンガが大ヒット。ツボもいいとこ。
この先輩はマグレブ文学をやっている人なんだけども、イスラム圏の文化的作品に詳しくて、いつもいろんなものを紹介してくれる。
しかもハズレが全くない。
今回紹介していただいたのは、イランのマルジャン・サトラピという女性の書いた、幼少から青年期にかけた自伝的マンガ『ペルセポリス』
これがめさめさ面白い。
1980年のイラン革命時期に思春期を向かえ、預言者になることを夢見ながら、マンガ『弁証法的唯物論』にハマり、ゲバラ、トロツキーを尊敬し、パンクにかぶれ、アイアンメイデンを爆音で聞きながらヘッドバンキングしてストレスを発散する、イランの少女。
面白い!
イランについて何も知らなかったってことを痛感させてくれる。
モダンで左派的な考えを持つ、おそらく当時のイランでは少数派だろうと思われる裕福な家庭に生まれたマルジは小さい頃から親のキャデラックを恥ずかしいと思っていた。
スカーフを嫌がりながらも完全否定することはなく、それでもナイキの最新モデルに憧れ、ジージャンを着て、そこにマイケルジャクソンのバッジを付けてご満悦。
そんな女の子の視点から見た当時のイランが時には滑稽に、時にはとてつもない圧力として描かれる。読んでて全く飽きない。
二巻ではヨーロッパでの色々な体験(恋愛、ドラッグ、ゲイコミュニティー、路上生活、挫折)が描かれ、離婚についても描かれる。
面白い!
彼女の別の本(これもマンガ)『刺繍』もオススメ。
- 作者: マルジャン・サトラピ
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2006/06/29
- メディア: 単行本
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基本的には、パーティがはけた後の「女たちの語らい」がテーマ。
んだから、刺繍って言われると、日の当たる窓際でロッキンチェアーで揺られながらずれる老眼鏡をなおしなおししながら、ハンカチにでも刺繍をする・・・なんて感じのイメージを抱いていたら間違いなく仰天する。
ネタばらしになるので、内容は書きませんが、なんとも痛快な「ぶっちゃけトーク」ばかり。
「そんなもん、縫い直せばいいのよ」
「ここにはメーターなんて付いてないのよ」
面白い!
でも、ちなみに、どちらも、やっぱりお金のあるクラスのお話であることは間違いない。
マルジの子供時代の話でも、お金に困った友人とかは、全く出てこないし、『刺繍』でも、そこかしこにお金持ちであることが読み取れる。
もちろん、これはこの作品の価値をすぼめるものではないけど。念のため。
その作者であり主人公である彼女は現在はフランスで生活しているらしい。
会ってみたいな〜。