久しぶりに映画を観た。

最近、ドキュメンタリーにはまっているってのもあるけど、やっぱりこの人面白い。
アッバス・キアロスタミ監督『クロース・アップ』

クローズ・アップ [DVD]

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有名な映画監督フサイン・マフマルバフを騙って詐欺を働こうとした、ということである青年が捕まえられ、裁判にかけられる。
それを聞きつけた雑誌記者がそれを大々的に扱い、そのことがキアロスタミの耳に入り、法廷でのやり取りが映像に納められる…。
という筋書きってことになっているんだけども、実はどこからどこまでがドキュメンタリーなのか全然わからない。

「実際の事件当事者によって登場人物が演じられている」とされているけども、では、十全たる「フィクション」だと考えていいのだろうか?

社会からはじき出された青年は有名な映画監督マフマルバフになりきることで、社会から必要とされる一個の「人間」になれる。映画監督を演じている時と、いつもの日常とのギャップに魅了されながら、この青年は「演じること」の深みにはまっていく。

実際にあった事件を下敷きにして、実際の当事者によって演じられ、ある程度の実際の映像が差し込まれているこの映画は、いったい何なのか?
「ドキュメンタリーはフィクションである」ということを自明視するだけではわからない。
それを踏まえたうえで、もう一度問わなければならなくなる。
「ドキュメンタリー(映画)とは何か?」


んん。
わっかんね。