■
- 作者: 中井亜佐子
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: ハードカバー
- 購入: 3人 クリック: 45回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
どこかのブログでどなたかが「今後日本でポスコロを研究する上では必読書となるだろう」みたいなことを書いていたけど、本当に同感。
加えて、本書はサイード晩年の「読書差別readism」批判や人文学擁護に対する非常に誠実な応答、もしくは注釈になっているとも言える。
- 作者: エドワード・W.サイード,Edward W. Said,村山敏勝,三宅敦子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/08/23
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (29件) を見る
でも、むしろだからこそ、正面切って論じられることが少ない。
中井さん初の単著である本書は、サイードをメインにしたものではないけども、それでもサイードを大きく扱った章の名前が本の表題になっていることからも、サイードの重要性が伺われる。この本全体を通してサイードがそこかしこに居るように感じられるのは、私だけかな?
最近、「自伝」というジャンルは「ライフライティング」と呼ばれる動きと連動して、活発な議論を呼んでいる。
自伝/ライフライティング/証言 といったテクストは文字テクストに限らず、これからさらに重要性を増す分野だと思う。
「戦争の/難民の/自伝の世紀」が終わっったことになっているけども。
加えるなら、「映像の世紀」でもあったわけで。
そういった意味で、映画も面白いと思う。
『SHOAH』論で盛り上がった「証言論」はそろそろ「自伝/ライフライティング論」と比較考察されてもいい時期に来ているんではなかろか?